歯の治療と頭痛、目の周りの痛み、顎関節音

Headache by dental treatment, pain around the eyes

 咬み合わせと食いしばり、歯の治療の影響


 歯を治療した後、どうもしっくりこないということがあります。

 咬み合わせた時に左右で高さが合わないような感覚、咬みにくい感覚を訴えられることが多いです。


 咬みにくいくらいで済めば良いのですが、そのまま放っておくと歯が痛くなってきたり顎が痛くなってきたり、さらには頭痛になってきたりすることもあるので厄介です。

噛む時の筋肉

 歯や顎周辺が痛む場合は、下あごのえらの部分の咬筋(ピンクの★)が、こめかみあたりが痛む場合は側頭筋(耳の上あたり)が、それぞれ過剰に疲れることにより痛みが出てきます(細かく見れば他にもありますけどね)。(ちなみに水色のハートは外側翼突筋、黄色の星は顎二腹筋。外側翼突筋は後にも出てきます。)

 咬み合わせた時に高さが合わないと、

 ・高いと感じる側

 常に奥歯の上下がが当たるような感じになり、当たっていると無意識に力が入り気味になり、咬む筋肉が疲労してくる。

 ・低いと感じる側

 浮いて咬みにくい感じがあるので、咬もうと力が入り、咬む筋肉が疲労してくる。


 こういうパターンで、咬む筋肉が過剰に疲れて緊張が抜けず硬くなって、痛みを伴うようになります。

 僕の見ている限りでは、必ず咬み合わせの高いほうに痛みが出るとかいうわけでもないようです。

 

 おそらくは普段力を込めやすい側だったりとかが関係していると思いますので、食いしばる癖があったり、歯ぎしりの癖があったりする側に痛みが出てきやすいのでしょう。


 いずれにせよ、痛みが出てしまった場合はまず原因箇所を見つける、つまり過剰に緊張している筋肉を見つけてゆるめることが先決です。


 その後は

・そこに過剰な力をかけないよう、なるべく食いしばらないように注意する。

・歯医者さんで歯の高さを調整してもらう。

・マウスピースを試したことがなければ試してみる。


 特に、歯の高さの調整は慎重に歯医者さんに行ってもらいましょう。


 それぞれの筋肉を弛めるためのセルフマッサージとしては、

側頭筋をゆるめる

 側頭筋・・・口を少し開いて顎の力を抜き、耳の上をほぐす。皮膚を持ち上げるように。

 咬筋・・・1枚目写真のピンクの★を優しくほぐす。

 さて、よく来てくださる方が目の周りの骨の辺りを触ると痛いと仰っていました。合わせて、口を開けると顎の関節が鳴るとも。


 顎の関節音は以前もあったが、ここ最近は落ちついてきていたのに、歯の治療を始めてからまた音が出るようになってきたそう。週に3回歯の治療を受けていらっしゃいました。


 それが原因なのかはわからないが、同時期に目の周りの骨の辺りを触ると痛みが出始めたそうです。


 というわけで調べてみました。

目の横の痛み

 痛む箇所は赤いラインのあたり。目の横外側の骨のあたり。ちょっと押すと痛むとのこと。

 顎の筋肉で過剰な緊張によって上の辺りに痛みを出しそうなものはというと、

外側翼突筋

 頬骨の下あたりの外側翼突筋。ピンクの★のあたりを耳のほうへ向かって押すとわかります。

 お越しの方のこの個所を左右同じように押してみると、目の周りに痛みが出ている側のみ痛いとのこと。


 そこで、この個所も含め、顎の周囲の筋肉をよくほぐしてゆるめましたら、その場でとりあえず目の周りの骨を押しても痛くなくなりました。


 おそらく歯の治療の際に口を長く開けているため、筋肉が過剰に緊張してしまい、目の周りが知覚過敏になったのではと考えられ、さらにその緊張によって下あごの位置が微妙にずれて関節音が出ていたのではないかと思われます。


 案の定、歯の治療が終わったら関節音が治まり、目の周りの痛みも徐々に治まって来たようでした。



(2016年8月ブログ記事、2018年5月ブログ記事に加筆修正)