デスクワーク、PC作業での肩こりと対処法
Stiff shoulders at desk work
仕事中の姿勢の見直し、肩が凝ってしまった時の自分での対処
今更ですがデスクワークによる肩こりは多いですね。
昔は内勤の女性に多かったですが、現在は男性もPC作業が当たり前ですので、男性の肩コリもとても多くなりました。
凝るというのは、どういうことでしょう?
筋肉は緊張(収縮)と弛緩(伸びる・弛む)というふうに動かすことで血液の出入りがあります。血液の出入りによって酸素と栄養が入り、二酸化炭素や老廃物が出て行くのです。
ですが、筋肉が持続的に緊張して(収縮して)弛まない状態が続くと、血液の出入りが出来なくなり、老廃物が溜まります。これが凝りです。だから、筋肉のある場所では体のどこでも凝りと言うのは起こりえます。
肩コリと言うのは肩の筋肉が持続的に緊張した状態、つまりずっと力が入って弛まない状態です。
ちなみに肩というと肩関節のことを言いますが、肩コリの場合の肩は首と肩関節の間の部分を言ってますね。
肩こりでいう肩の部分は僧帽筋・肩甲挙筋という筋肉。これらの筋肉は首と肩の距離を縮める動作をします。
肩甲挙筋・菱形筋
PC作業を長く続けていると痛くなってくることが多いのが肩甲骨の内側の上の方。僕が指で押さえているあたりですね。
肩甲挙筋もしくは菱形筋の上部です。肩甲挙筋に張りがあると、顔を左右に向けた時に痛みが走ったりします。
肩甲挙筋
赤い線が肩甲挙筋。頸椎の上のほうから肩甲骨の内側上のほうにつながります。首と肩甲骨の距離を縮める働きをします。肩甲骨を持ち上げる動作ですね。ここが過剰に緊張してくると首を動かしたときに肩甲骨のほうに響いたりするのです。
PC作業中に無意識に肩が上がっていることが長時間になるとここが凝ってきます。ひどくなると緊張が抜けなくなり、ずっと張っている感じ、さらには首を動かすと痛む、などが出てきます。
デスクワークで肩が凝るという場合、その姿勢で首と肩の距離が縮んでいる状態が長く続いてしまって、伸びない・弛まないということなのです。
デスクワークで首と肩の距離が縮む姿勢というと
・肩が持ち上がっている
・机の上の書類やPCと顔が近くなっている
ことが考えられますね。
体の状態でいうと、
・顔が前に突き出される
・背中が丸くなる
・肩関節が前に出る
という風になっていますので、施術では
・僧帽筋や肩甲挙筋を弛める
・丸くなった背中を戻す
・前に出た肩関節を戻す
ということを行います。
そしてさらに仕事中の環境や姿勢の見直しです。
まずは
・机と椅子の高さを調節
肩の力を抜いた状態で座って、デスク上に肘が上がらずに置ける高さにします。デスクが高いと肘も上がって、結果肩も上がり気味になるため、肩の力が入りやすくなります。
・座り方を見直す
椅子に深く腰掛けます。深く腰掛けると腰が丸まらず骨盤が立った感じになりますので、その状態で背もたれに背中を当てて体重を背もたれにかけます。
背もたれを使わずに体を立てて座ろうとすると、長時間では腰が疲れますので、背もたれに体重を預けたほうが疲れにくいです。
肩の力を抜いて、体をまっすぐに保った状態でデスクワークをすることが肩こり予防につながります。
さてここまでは仕事中の姿勢について見直すことを書きました。
では肩こりになってしまった場合、ご自分ではどう対処したらよいでしょうか?
上では、
「肩コリと言うのは肩の筋肉が持続的に緊張した状態、つまりずっと力が入っている、弛まない状態なのです。」
「デスクワークで肩が凝るという場合、その姿勢で首と肩の距離が縮んでいる状態が長く続いてしまって、伸びない・弛まないということです。」
と書きましたが、肩こりを解消するには、この逆、つまり筋肉を弛めて伸びるように戻すことが必要です。
弛んで伸び縮みできるようになれば、血の出入りがスムーズになり、痛み物質が出なくなります。
凝って縮んだ筋肉を弛めるには、
・温める
・ストレッチ
・もみほぐす
があります。
・温める
まず筋肉を温めるには、レンジでチンして使うようなものや蒸しタオルを首筋や肩に当てると良いです。お風呂ではシャワーを当てるなんかも良いでしょう。
でも、使い捨てカイロを長時間貼るのは低温やけどの恐れがあるのでおすすめはできません。
ストレッチ
デスクワーク中の簡単なストレッチは「片手で椅子の端を持ち、もう一方の手で頭を持って傾ける」のが簡単でお勧めです。伸びて気持ち良い角度を探して10秒ほど伸ばしてください。これが肩甲挙筋のストレッチになります。手で座面の端をつかんで、逆の手で頭を引くだけです。
ストレッチ
もう一つ「手のひらを外に向けて胸を反らす」のも良いです。胸が縮むと肩が前に出て、肩甲骨周囲が凝りやすくなるので、その解消です
セルフマッサージ
自分で行う場合、一番凝ってるなあという箇所に指を当てて押さえたまま、肩甲骨を大きく動かす意識で肩を回す(こちらはどちらかというと菱形筋に効く)のが簡単です。
当院のYouTube動画もご覧ください。