抱っこ疲れ 肩、背中、腰、手首など

Tired from hugging

 小さなお子さんを長時間、長期間抱っこすると疲れますね。


 で、あっちこっち痛くなったりするわけですが、こういう痛みは筋肉の疲労によるものです。


 同じ姿勢が長く続く、同じ動作を繰り返すということが、特定の筋肉を疲労させます。


 筋肉は伸び縮みすることで血液を出入りさせていますが、特に抱っこのように同じ姿勢が長く続く場合は、筋肉が伸び縮みしづらいので、虚血状態になります。


 するとそのままではまずいよというサインとして痛みの物質が出てくるのです。だから、患部を温める、もみほぐす、ストレッチするなどして、伸び縮み出来なくなっている筋肉をゆるめて、血液が出入りできるようにする必要があります。



 それはさておき、どうやって抱っこをするか?手で抱っこするか、スリングを使うか、抱っこ紐を使うか、それぞれやり方は違いますから、それによって痛くなる場所はちょっと違います。でも、大きく分ければこんな感じです。

肩(僧帽筋)

 いわゆる肩こりです。

 手で抱っこすればその側の肩が、スリングを使えば布のかかる方の肩が、それぞれ凝ります。

 抱っこ紐の場合は両肩にかけるので、手で抱っこ、スリングで抱っこよりは疲れないと思いますが、それでも長時間なら凝ってきます。


対処法としては、

抱っこする手を時々替える、肩を回す、上げ下げするなどして動かす。肩を温める。


参考 産後の肩こり

背中(肩甲骨の内側)

 ここも肩と同様に、手で抱っこすればその側の背中が、スリングを使えば布のかかる方の背中が、それぞれ凝ります。

 抱っこ紐の場合は特に背中をきつくしすぎると凝ります。

 ゆるいと安定しないので、うまく調節しないとつらいです。


 これも対処法としては、

 抱っこする手を時々替える、肩甲骨を回す、上げ下げする、寄せるなどして動かす。背中を温める。


参考 母乳の詰まりと胸と背中の痛み

 どの抱っこでも、前に抱くとお子さんをお腹に乗せる形になります。そうすると腰が反りますが、この状態が長く続くと痛くなります。


 腰には元々生理的湾曲があり、前が出る形の前湾しているのが普通です。腰の一番下の部分は腰椎4番5番と言いますが、ここは骨盤の仙骨のすぐ上で体重が掛かる場所なので疲れやすいです。写真の黄色とピンク色の星の辺りが特に疲れやすい箇所ですね。


 椎間板ヘルニアとか腰椎すべり症なんていうものも大抵ここに出ますが、腰を反らせるともろここに力がかかりますから、この周囲の筋肉(脊柱起立筋、多裂筋など)がかなり疲労します。そうすると体を反らすと痛いです。


 またお尻の筋肉(大中小殿筋)や腰の脇に筋肉(腰方形筋など)が疲労している事もあり、そういう場合は前に屈んだり横に倒したりしても痛いことが多いです。


 対処法としては

 痛い動作をしない。反らしてい痛いなら反らさない。

 反らして痛いが他の動作はさほどでないなら、腰を丸める姿勢にすると楽です。ですので、膝を曲げて前屈とかすると良いです。


 お子さんの首が据わったら、おんぶの方が腰は楽ですよ。


 参考 妊娠中と0~1歳のお子様を持つママによく起こる腰痛と対処法

手首

 これは手で抱っこする場合によく出ます。

 手で抱えた時に手首を手のひら側に曲げますが、この体勢が長く続くと痛くなってきます。手首の骨のあたり(橈骨頭)を触ると痛かったり、手の親指の付け根あたりが痛むことも多いです。上の写真だと黄色い丸の辺りがよく痛くなる箇所で、緑のラインは橈骨。


 やはり対処法としては、

 抱っこする手を時々替える、手首を温める。冷やさないようにする。


 大抵手首自体に触ると痛い所がありますが、手首を曲げる筋肉は前腕にありますから、前腕のどこかにも触ると張ってて痛い所があります。そこをもみほぐすのも良いです。


 参考 ・産後の手首の痛み

    ・産後の手の親指の痛み

 どの部分にも言えるのは、痛い動作、姿勢を避けて、使いすぎないことですね。