手首の痛み 腱鞘炎

Wrist pain

 腱鞘炎はスポーツやPC作業、産後に多いです


 腱鞘炎はスポーツをする人は勿論、しない人にもしばしば起こります。パソコンをずっとやっていたらなったとか、子供の抱っこでなったとか。


 当院には産後の不調のママさん達がお見えになることが多く、その際、産後数か月くらいの方ですと手首の腱鞘炎を訴えることが多いです。


 産後の手首の腱鞘炎については別記事がありますのでそちらもご覧いただくと良いですが、骨盤を戻すホルモンの影響とお子様の世話による酷使が重なって症状が出やすくなると考えられています。


 

 腱鞘炎で痛くなる場所としては、手首の親指側が特に多いですが、小指側のこともあります。


 まず腫れているとか熱を持っているとかの症状があれば、炎症が起きているので、無理に動かさず、冷やすなどの必要があります。


 そうでなくて、動かすと痛むだけなら、前腕の筋肉をほぐしてやるのが良いです。というのも、手首の腱鞘炎の腱と言うのは、手首や親指を動かす筋肉の腱で、それら筋肉は前腕部を走るからです。前腕にある筋肉が手指の使いすぎによって疲労し、過緊張状態になり、筋筋膜性疼痛が発生しているのです。


 まずは手首を使いすぎないように、そして冷やさないようにする(冷えると血行が悪くなって回復が遅くなります)のが基本ではありますが、上記のことを踏まえて、僕は手首だけでなく出来れば前腕部を肘まで冷やさないほうがより良いと考えています。



 腱鞘炎では、手首が痛いからと言って手首を触ってもかえって痛いことも多いのですが、そんな時は


⒈ 手首をどういう風にすると痛いか確認。

⒉ その動きをした時に前腕のどこが動いているかを確認。

⒊ 手首なり親指なりを動かしながら、その動いている場所を手首から肘まで場所をずらしながら反対の手で押さえていく。

⒋ 途中で手首なり親指が痛くない場所を見つけたらそこでストップ。

⒌ 押さえられた手は脱力、押さえた手はそのまま、小刻みに優しく振る。90秒ぐらいが目安。

⒍ 痛くない場所が何か所かある場合はそれぞれの場所で行う。


これをやってみてもらうと良いでしょう。


 ただし、場所を探す際に手首や親指を動かしますので、それ自体が辛い場合は無理に行わないようにしてください。


 また、手首の関節上にも押すと痛いところがあると思います。

 痛いけど気持ち良いなら1~2分押しても良いですが、触りすぎてはだめです。

痛みが強いときは下手に触らず、痛みの出る動作を避けて、よく休ませてください。



 痛い動きと原因箇所に関しては下のご覧いただいて探してみてください。


手首を動かしたときに甲側の手首が痛い時(これが多い)

伸筋群(橈骨手根伸筋・尺骨手根伸筋)に過緊張

 ですので、手の甲側の前腕に押すと痛い所があると思います。

 橈骨手根伸筋は手の甲側を親指から上がっていったあたり、尺骨手根伸筋はそれよりも中央寄りのあたりを目安に探しましょう。

手根伸筋群は赤い線のあたりです。

手首のセルフマッサージ

 手首の痛いところからこのラインを少し痛いけど気持ち良いぐらいの強さで指で押してセルフマッサージ。

 痛いほうの腕の力を抜き、反対の手でをつかんで振るようにすると良いです。

手首を動かしたときに手のひら側の手首が痛む時

 屈筋群(橈骨手根屈筋・尺骨手根屈筋)に過緊張。

 ですので、手の平側の前腕に押すと痛い所があると思います。


 橈骨手根屈筋は前腕の真ん中あたり、尺骨手根屈筋は小指からずっと上がったあたり。写真で赤青のラインの間あたりを目安に圧痛点を探しましょう。

 ちなみに親指側小指側に曲げた時の痛みの場合は、


・手首を親指側に曲げて痛い時

 橈骨手根伸筋に過緊張。よって手の甲側を親指から上がっていったあたり。


・手首を小指側に曲げて痛い時

 尺骨手根伸筋に過緊張。よって手の甲側の前腕の中央あたり。


 大雑把に言うと上のようになりますが、あくまでも目安です。