正しい姿勢になるには

To get the right posture

 「正しい姿勢」とは一体なんでしょう?


 僕が思うには

 「力みなく(立つのに必要最低限の力のみで)、真っすぐに立てている状態」

 です。


 偏りが無くまっすぐに立った時、体重は背骨や骨盤、下肢の骨にかかり、筋力は限りなく必要とされなくなります。が、力みがあるとその部分は凝ります。

まっすぐな姿勢

 まっすぐに立った時の理想とされる姿勢としては、横から見た時に、

 耳、肩関節、腰椎(椎体の真ん中)、股関節(大腿骨大転子)、膝関節(中心よりちょっと前)

 あたりを重心の線が通ります。

 姿勢が悪いと言われる場合、たいていは猫背。あとは出っ尻。

不良姿勢

 上の写真のように猫背とされる場合(わかりやすく極端にしています)、

 ・顔が前に出る

 ・肩が前に出る

 ・背中が丸くなる

 ・下腹部が前に出る

 ・お尻が下がる

 ・膝が曲がる

 が起こっている状態です。


 肩が前に出ていたり、背中が丸くなっている場合は、肩こり背中こりを伴っていることが非常に多いです。顔が前に出ている時は首の凝りですね。

 さて、体全体をまっすぐに保つのに関連するのは実は下腹部。ここの力が抜けてしまう、もしくは筋力が弱いとお腹が前に出てしまいます。

 これはお腹の奥の腸腰筋が適度に引き締まっていないことから起こります。


 腸腰筋は腰椎から骨盤を抜けて大腿骨の一番上につながるという、上半身と下半身をお腹の奥でつないでいる重要箇所。

 ここが適度に引き締まっていることで骨盤が良い位置で立ちます。

 ですが力が抜けてしまうと骨盤が後ろに下がり下腹部が突き出てきます。

 もしくは、ここの力が抜けていたり弱くなっていたりするのに腰の筋肉は力んでいると、腰が反って出っ尻になります。

出っ尻

これが出っ尻。腰が力んでいますので腰痛が出やすいですね。


 腸腰筋が弱くなるのは妊娠中や産後にも多いです。運動がしばらくあまりできないからです。

 妊娠中はお腹が大きくなるため腰が反り気味になることがとても多いのですが、産後もこの腸腰筋が回復せず弱ったままでお子さんの抱っこなどが多くなると、腰がさらに過剰に反って痛くなるのです。


 ですので、この腸腰筋が適度に引き締まった状態になっているのが姿勢にも腰痛予防にも良いのです。

 「猫背の予防と改善方法」


 まずは、猫背気味になっている場合、下腹部の奥をちょっと締める意識(ちょっとだけ引くような意識)をすると良いです。


 お腹を引き、そして顎を少し引きます。そうすると背中を伸ばしたりしなくても良い姿勢を保ちやすくなります。


 腸腰筋が弱って腰が反ってしまっているような場合のは簡単なエクササイズで回復を早めます。

 まずこのような場合は、仰向けに寝ると腰と床の間に隙間が出来ます。

 その隙間をなくすように腰を床に押し付けるように10秒間思いっきり力を入れます。

 これを一日一度寝る前などに行います。

 また腰を反らすと痛みを感じる時にその都度行っても良いです。

 さらにリフティングのような膝を上に持ち上げる動作でも腸腰筋は鍛えることができます。



 さて、その次に気になるのは肩が前に出たようになることです。

 デスクワークなどが長く続くと肩が前に出て背中や肩がこりやすくなります。

 肩関節が前に出ると肩甲骨も背骨から外側へ離れ、肩甲骨と背骨の間がとてもこります。


 これは胸の筋肉(大胸筋・小胸筋)が縮んでしまっていることのよって起こりますので、まずストレッチをよく行うのが効果的です。

胸のストレッチ

 このように肩よりも少し上の壁に手を付けて胸を伸ばします。

らくだのポーズ

ヨガのポーズですと、

 らくだのポーズ。腰が痛い時は無理に反らさないでください。胸を意識して。

胸を開く

 仕事の合間にちょっと胸の縮こまりをリセットしたいときは、

 このように手のひらを外に向けて、肩甲骨同士を寄せるようにして胸を伸ばしそのまま5秒ほどキープ。そして脱力。すると縮んだ胸が伸びて前に出た肩が後ろに戻りますよ。

これは時々こまめに行うのが有効ですね。



(2018年1月ブログ記事に加筆修正)