ゴルフによる手首の痛み 腱鞘炎

Wrist pain from golf

 ゴルフでも腱鞘炎になることがあります


 ゴルフをよく練習なさっているうちに手首が痛くなってきた症例を見ました。


 この方は右利きでしたが、痛むのは左の手首。当初は手首をどう動かしても痛みが走るとのことでした。


 動かすことで痛みが走るという場合は、オーバーユース(使い過ぎ)による筋肉の過剰な緊張が考えられるので、前腕部を触って調べてみました。


 すると様々なところに押すと痛いところがありましたが、その中で一番痛いと感じたのは手首に近い橈骨と尺骨の間あたり。

橈骨と尺骨

 赤いラインが橈骨、青いラインが尺骨、でその間の手首に近いあたりに圧痛がありました。

 ここを使い過ぎているということは、ショットの時の手首の使い方に問題があるのではと思い、その話をしましたら、確かにコーチに手首を返せと言われてそうしているとのこと。

 この時の手首を返す動きは甲側に曲げる(伸展)に外にひねる(回外)が入る感じですね。手首を伸展するには手根伸筋群、この動きの場合は(長・短)橈側手根伸筋が働きます。

 ただこれらの筋肉の圧痛点は教科書的には手首よりも肘に近いところに出るはずでした。

橈骨と尺骨の間

 が、患者さんの訴えを信じて、手首に近い橈骨と尺骨の間あたりの部分(写真で赤のあたり)をよくゆるめてみたところ痛みが軽減。やはり教科書どうりではないですね。

 さらにほかの押して痛む箇所を探して、順に緩めてゆきました。

 手首を伸展する手根伸筋群などの張りや、親指の側の橈骨頭に圧痛がありましたが、このあたりからすると、やはりいわゆる腱鞘炎の症状ですね。

 (当院の腱鞘炎の症例のページへ)


 一通り施術しましたら、かなり痛みがなくなったようです。

 このように教科書どうりではないというのはとても勉強になります。



 (2016年2月ブログ記事に加筆修正)