マットレスによる背中の張りや腰痛

Back pain due to a mattress that doesn't fit

 三つ折りマットレスの問題やマットレスのローテーション


 寝具というものはかなり体の状態を左右するものです。


 朝起きると体のどこかが痛く、動き出してしばらくすると治まってくるとかいうのは寝ている環境に問題があり、ベッドで寝ていればマットレスが(布団なら敷布団が)関わっていることが多いです。首だと枕が怪しまれますが、体だと布団やマットレス。


 マットレスにもいろいろありますが、収納しやすいということでよく使われるのが三つ折りのタイプ。


 ただ、時々三つ折りマットレスで背中や腰が痛くなったというのを聞くことがあります。


 ちょうど折り目の部分がどうしても沈みやすくなるので、体を支えにくくなるので、そこに当たる部分が痛くなってくるのです。


 よく聞くのは腰ですが、先日は背中が張るという方がいらっしゃいました。


 見るとたしかに背中の筋肉が張って硬くなり、背中自体も丸くなっていました。ちょうどそのあたりに折り目が当たっていたようです。

胸椎下部近く

 だいたい赤で囲ったあたりに折り目が来ていたようですが、背中全体が張っていました。ですので施術では背中の筋肉をよくほぐしてゆるめ、胸椎を矯正しました。

 とりあえずは応急処置としてマットレスの上に毛布とかを一枚敷いて、体が沈みにくくするように、そしていずれはマットレスを折らないタイプに変えるかしたほうが良いとお話しました。


 三つ折りマットレスがみんな悪いわけではありません。どんなマットレスでも布団でもそうですが、その人の体に合ったものでないと体に負担がかかります。

(ちなみに背骨のS字カーブが深い人はやわらかめのマットレス、S字カーブの少ない背中のフラットな人は固めのマットレスを好むようです。)


 さらにどんなものでも長く使っているとへたれてくるものです。へたれてくると、その部分が体を支えられなくなり沈んでしまうので、寝づらくなり場合によってはその箇所が痛くなります。使い始めたころは良かったのに最近どうも寝づらいという場合、腰の部分がへたれてきているため、体を支えられていない可能性があります。


 そこでやってみるべきはマットレスのローテーション。

 まずは上下を入れ替えてみましょう。数日寝てみても腰の痛みが変わらない、または余計つらいという場合、今度は裏表を入れ替えましょう。


 ベッドのマットレスの耐用年数は5年ほど。ホテルなんかだとシーズンに一度ローテーションするそうですが、普通ローテーションなんてあまり知りませんよね。


 先日、うちの患者さんによく来てくださる方に試してもらったら、その後、首と腰の調子が長く続いているそうです。



 さて、ローテーションしても状態が芳しくない場合、マットレスがダメになっているか、そもそも体に合っていないということも考えられます。上の三つ折りマットレスが良い例です。

 よく硬いマットレスが体に良いと思いこんでる方がいらっしゃいますが、一概にそうとは言えません。

 硬いのが合う方、柔らかいのが合う方、両方いらっしゃいますが、傾向としては背骨が割とフラットな方は硬いほうが、背骨のS字カーブが深い方は柔らかめがしっくりくることが多いようです。

 体全体をまんべんなく支えてくれるようなら良く、どこかだけが沈んだり浮いたりするのは良くないのです。

 実際に寝てみることが出来れば一番ですね。



 ベッドのマットレスもそうですが、敷布団も長く使うとやはり腰のところが凹んできて寝づらくなります。

 敷布団もへたれてきたら裏表を入れ替えてみて、それでだめなら買い替えです。羽毛布団なら打ち直しもできますね。



(2016年6月ブログ記事と2019年3月ブログ記事に加筆修正)