テレワーク中心になり、手の力が抜けなくなる。
10年ぶりに連絡をくださった知人が「右手が急に動きにくくなる」ということでご来院。
歯磨きしたりしている最中に急に右手を動かせなくなることがある、動かし方が分からなくなるような感じ、しかもいつも出るわけでもない、という症状。
脳神経症状だったら困るなあと思ったのですが、どうも違うよう。
いろいろ触ってみて分かったのは、右手、特に手首の力が抜けていないということ。
左手は力を抜いて振るとブラブラするのだけれど、右手はブラブラしないんです。
話を訊いてみると、このコロナ第7波で再びテレワーク中心の生活になってしまっているそうで、PCに向かう時間がかなり長いようでした。
右利きだと通常右手でマウス操作しますから、キーボードとマウスで右手を使うことが多くなります。
大きな作業ではないですが、手首は上の写真のように常に力が入った状態になっています。
この時に使っているのは手根伸筋群。
橈側手根伸筋と尺側手根伸筋
橈側手根屈筋と尺側手根屈筋
拮抗筋になるこれらの筋肉にも疲れがありました。
マウス操作で常に緊張しやすいのは手根伸筋群ですが、手首が動かないというのは伸筋群と屈筋群の協働ができていないということ。なので屈筋群にも緊張があり、お互いに力が入っているため手首がどちらにも動かせない感じになるのです。
そういうわけで、結局この方の場合には右手の力が抜けるように前腕部をよくほぐしましたところ、筋肉の緊張が抜けて少しずつ手をブラブラできるようになってきました。
ただ、結構緊張が強いことと、テレワークがまだ続くことを考えると、施術は繰り返し行う必要がありそうでした。
あとは普段からなるべく仕事中に時々手の力を抜いてブラブラさせたり、前腕をストレッチするようにと話しておきました。
手を返す角度を変えると伸びる場所も変わるので、
一番気持ちの良いところをお探しください
手のひらを上に向けても良いです。
これからの時代、さらにテレワークが多くなっていくでしょうから、このような症状の方がもっと出てくるのかもしれません。