テニスのバックハンドによる肩の痛み

Shoulder pain due to tennis backhand

 バックハンドによって脇の下や胸の筋肉が緊張することも


 テニスをしている方ですと、サービスの繰り返しにより肩周囲筋肉の疲労がピークになって、肩が痛くなることがとても多いです。が、テニスのバックハンドで傷めたという症状もあります。


 先日見た症状では右肩に出ており、肩も下がっていました。以前に傷めてから逆の腕でサーブしたりして休めていたそうなのですが、バックハンドを打ったときに肩関節で変な音がして、それから動かすのがつらいとのことでした。

脇の下の筋肉

 腕を真横に上げると肩関節そのものや、脇の下から上腕の内側あたりから前腕まで痛みが生じていました。


 脇の下の星印の辺りは奥のほうだと肩甲下筋、背中に近いと大円筋という筋肉があり、これらが過剰に緊張すると、肩だけでなく腕の内側あたりにまで痛みが出ることあります。


 またこれらの過剰な緊張は肩甲骨を引き下げる感じになるので、肩が下がって見えます。

三角筋と鎖骨下筋・小胸筋

 加えて肩の前や鎖骨の下にも押すとするどい痛みが出ました。

 ハートマークのところは三角筋、星印は鎖骨下筋や小胸筋。印はありませんが腕の付け根は大胸筋です。

テニスのバックハンドの体勢

 バックハンドだとこのような体勢になりますが(人形が動きにくいのでわかりにくいかな)、このとき、肩や胸の筋肉をグッと縮めることになります。

 元々痛めていた箇所をさらに緊張させてしまったため、筋肉が硬く縮まってしまい、ラケットを振ろうとする勢いが加わったことで鎖骨や肩の関節にズレが生じ、変な関節音が鳴ったのでしょう。


 初回施術ではこれらの筋肉を弛め、肩や鎖骨の位置を戻すようにしましたところ痛みは半減し、肩の下がったのが少し戻りましたが、ちゃんと戻るにはあと何度かの施術を要するでしょう。


 あとは痛みが無くなってきたら、痛みの出ない範囲で少しずつ動かすのが良く、

胸のストレッチ

このように大胸筋・小胸筋を伸ばしたり、

脇の下のストレッチ

脇の下を伸ばして大円筋をストレッチしたり、

脇の下をほぐす

脇の下をつまんだり奥に指を突っ込んだりして、肩甲下筋や大円筋をほぐすのも有効です。

 痛みがあるときは痛くない範囲で動かして、無理をしないのがコツです。寝る時は痛いほうを下にしないようにしましょう。



(2018年3月ブログ記事に加筆修正)