産後の骨盤を寝たまま戻すちょっとした運動

Postpartum pelvic exercise

 出産で弱った骨盤周りの筋肉を回復させましょう。


 お子さんを出産して拡がってしまった骨盤周りを、妊娠前の状態に早く戻したいということでお見えになる方が多くなりました。


 骨盤は真ん中に仙骨、それを挟むように二つの腸骨があり、それらは靭帯でガチッとくっついていますが、妊娠してお腹が大きくなると、その靭帯がほんのちょっと緩みます。


 そしてお腹が大きくなるにつれ、骨盤の幅がちょっと広くなり、腰が反ったようになってきます。歩き方も股を開き気味になります。


 さて、人間には回復能力がありますから、産後は出産時にグッと拡がった骨盤も自然と戻っていきますが、妊娠中から産後しばらくは運動量が減りますから、全体的に筋力が落ちていることも多いです。

 骨盤周囲を支えている筋肉も弱くなっているので、その場合妊娠前の状態に戻りにくいのです。


 というわけで、骨盤を妊娠前の状態に戻すために、ちょっと動かしておくと効果的な筋肉がいくつかあります。


 産後すぐに動き出すのは体がつらいでしょうから、下にそれら筋肉を寝た状態で簡単に刺激する方法をあげておきます。

腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)

 骨盤を支える重要な筋肉で、腰の骨から骨盤を抜けて脚の付け根にくっついています。

 この筋肉が弱っていると、腰の骨は反り気味、骨盤は拡がったままになりやすいです。だから何もしなければ、骨盤はある程度までしか戻りにくいです。


 仰向けに寝ると、腰が反ってつらい。床に仙骨が当たって痛い。

 こんな時は腸腰筋の運動がおすすめです。


 ①「仰向けに寝て、反って浮いてしまっている腰の部分を、ギュッと床ないし布団に押し付けます。その時下腹に力が入っているのを確認してください。10秒全力で行います。一回でもいいです。」

骨盤底筋群

 骨盤の形は下のほうがすぼまっているのですが、出産時には下のほうは当然拡がります。

 この下のほうには、いわゆる骨盤底筋があります。尿漏れの場合に鍛えると良いところです。


 ここを鍛えるやり方は調べればいろいろ出てくると思いますが、要は肛門から膣をギュッと閉めればよいです。


 ②「仰向けに寝て、膝を立て、できれば両足はくっつけて膝を閉じます。そのまま腰を持ち上げ、肛門から膣をギュッと閉めましょう。」

内転筋②

③「まず足首を内側に10回回します。脚を内側に持ってきたときにギュッと力を込めます。」

内転筋②

④「さらにつらくなければ股関節を内側に10回回します。」

 これらは毎日寝る前にでも1セットだけでも良いので行っておきましょう。2,3週間継続して行うと体が変化してきますよ。

 ただし、やると痛い場合は無理に行わないようにしてください。