ズボン、靴、靴下を履く時、車の乗り降りで腰が痛む

Lower back pain when getting in and out of the car

 ぎっくり腰で時々あります。お腹の奥の筋肉が原因です。


 突然腰が痛くなってきて、痛みが治まらないので、しばらくしてから電気治療を受けたら、骨盤の骨の縁あたりが痛くなって、車の乗り降りが特に辛いとおっしゃる方がいらっしゃいました。


 筋肉はとても緊張して硬くなると血流が悪くなるので、それをなんとかしなさいというサインとして発痛物質が出ます。動作によってその筋肉に負荷がかかると、さらに緊張するのでより血行が悪くなり痛くなるわけです。

骨盤の縁

  この時の痛みの場所は赤いラインのあたりで、骨盤の縁の前から横そして腰のほうまで響くような痛みです。


 前のほうであれば腸骨筋、横から後ろだと腰方形筋、後だと脊柱起立筋が怪しいので、調べると、そのうちの腸骨筋と腰方形筋に強い圧痛がありました。

靴や靴下を履く動作

 車の乗り降りではこんなふうに膝を上げて脚と上半身が近づくのですが、この時に使うのが下で説明します腸腰筋。こういう動作で痛みが出るんです。だからズボン、靴、靴下を履くのもつらいようでした。


 そこで患者さんに仰向けに寝てもらい、まずお腹の奥の腸腰筋(腸骨筋と大腰筋)をチェック。

・腸骨筋・・・骨盤の内側の縁

・大腰筋・・・へその横あたり


 上の写真の赤いラインのあたりを押してみて痛みが出る場所を探します。


 この筋肉は膝を持ち上げる筋肉ですので、こういう症例の時には原因箇所となっていることが非常に多いです。


 次に横向きになってもらい、腰椎と骨盤を結ぶ筋肉である腰方形筋を調べます。

 わき腹の骨盤の骨のへりあたりに押すと痛い場所があることが多いですね。

 セルフケア方法としては、

 骨盤の縁の内側にある押すと響くところを痛気持ちいいくらいに押す(目安は90秒)。

 ストレッチ方法は痛い側のお腹を突き出すようにして伸ばす(但し反らすと腰が痛い時はやらない)。

 こういう痛みの場合大抵片側に起こりますが、腰を屈めて、膝がお腹に近くなるような動作が出来ないのは、骨盤の動きにも支障があります。


 なので今度はうつぶせで、腰の下の方、骨盤との境目あたり、そして骨盤の仙骨と腸骨の間(仙腸関節)を調べます。このあたりにも押すと痛い箇所がありますので、探して弛めるようにします。

 お腹の奥の腸腰筋にトラブルが出ている場合は、お腹の調子が悪くなっていることもあります。

 例えば暴飲暴食をした後に腰が痛くなってきて、靴下が履けなくなったなどというのは分かりやすい症例ですが、それは、お腹が極端に疲れるとその周囲の筋肉も非常に緊張するからなのです。


 というわけでこういう症状の場合は、食事を軽くしてお腹を休めるのも大切なのです。あとはお腹と腰を冷やさないことですね。



 今回は電気治療の後から痛くなったとのことでしたが、そういう症例は初めてでした。治療自体で筋肉が過剰に緊張してしまったのか、実際のところは分かりませんが、長時間もしくは強すぎる刺激が加えられればそういうことがあるのかもしれません。


 この施術の数日後に、だいぶ良くなったとお電話をいただきました。



(2016年10月ブログ記事、2018年7月ブログ記事に加筆修正)