緊張型頭痛と偏頭痛
「緊張型頭痛」
日本人に一番多いとされる緊張型頭痛ですが、肩こりや首こりからくるものが多いです。コリから来るのでジワーッと痛いです。
そこで、頭痛の場所と筋肉の関連を見ると、
胸鎖乳突筋
横を向くと浮き出る筋肉。
緊張すると耳のあたりや前頭部に痛みが出やすいです。
項筋(後頭下筋群)
うなじのところの奥の筋肉。
ここが緊張すると側頭部に痛みが出やすい。
頭板状筋と頸板状筋
頭板状筋(赤いライン)はうなじの横側、
頸板状筋(青いライン)は首の下の肩の辺りに押すと痛い点があります。
頭板状筋は頭の上の方でちょっと横側あたりに、頸板状筋はこめかみ辺りに痛みが出やすいです。
僧帽筋
皆さんよく知っている大きな筋肉。肩が凝ったら揉む所です。
側頭部に痛みが出やすいです。
側頭筋
頭の横の筋肉で、ものを噛む時に使います。
食いしばっていたりすると側頭部が痛くなります。
歯軋りも要注意です。
カイロプラクティック的に見ると、側頭筋以外は頚椎から出る筋肉に支配されているので、頚椎のバランスを整える事が重要です。
自分で出来る事は、痛いところからどこが凝っているのかを探し出して、凝りをよくほぐす、温める、動かすなどしてあげる事です。
「片頭痛(偏頭痛)」
ズキズキ脈打つような痛みです。僕もたまになります。動くと痛くなるし、吐き気まで出てきますよね。
この片頭痛、発生のメカニズムはまだはっきりしていないようで、セロトニン説と三叉神経血管説というのが有力なようです。
「セロトニン説」
頭部の血管が拡がり、炎症を起こして痛みが起こる頭痛。
ストレスや緊張、ホルモンバランスの乱れ、アルコールや食品などにより脳が刺激を受けると、血液成分である血小板から血管を収縮させる作用を持つセロトニンが多量に放出され、一旦脳内の血管が収縮する。時間の経過と共にセロトニン分解・排泄されて減少すると、一度収縮した血管が逆に広がりはじめるようになり、頭痛が起こるようになるというもの。
「三叉神経血管説」
脳神経の中で最も大きい三叉神経(顔面周辺の感覚をつかさどる)が関与しているという説。
脳から伝えられた何らかの刺激が血管周囲にある三叉神経刺激し、三叉神経の末端から血管を拡張させる作用をもつ様々な神経伝達物質(サブスタンスPなど)が分泌されます。それらの働きで拡張した血管や、それによって発生した炎症が神経を刺激して痛みが起こるというもの。
これらに対してカイロプラクティック的にどうアプローチするのか。
いずれの説でも、最終的には頭部の血管の拡張が痛みを引き起こしているようですから、そこに着目してみます。
まず自律神経のうち交感神経は脊柱の両脇を走っていますが、その上頸神経節が頚椎の1番の辺りにあり、この神経節から頭頸部への血管運動神経線維が出ています。
そして、心臓へは下部頚椎もしくは上部胸椎の辺りの交感神経がつながっています。
自律神経のうちもう一つの副交感神経は首の中(頚動脈の後)を通って、心臓も含め内臓全般につながっています。
さらに解剖学的に考えてみますと、椎骨の中には椎骨動脈・静脈が走ります。
椎骨動脈は勿論脳へ繋がるのですが、頚椎の1番2番のところでS字状に走ります。そのためここにゆがみがあるとS字がきつくなる又はゆるくなることで血液の流れが良くなりすぎたり悪くなったりと影響することが考えられます。
というわけで、カイロプラクティック的には、頚椎のバランスを整えることで、自律神経のバランスの正常化をもたらし、頭痛の解消に繋ぐ事が出来るのではと考えられます。
とはいうものの、頭痛が一旦始まると、ちょっと動いてもつらいので、まずは、目を閉じて、安静に寝るのがよいでしょう(経験上)。
頭痛が無い時にカイロで調整しておけば、予防になるでしょう。
当院のストレッチ動画です。ご参考になれば幸いです。