膝を強く打ち付けた衝撃による脚の筋肉の過剰な緊張
実は立て続けに転倒したという患者さんがお二人来られたのですが、いずれの方も膝を地面に強く打ち付けていらっしゃいました。
お一人は右膝を、もうお一人は左膝。特に左膝を打った方はジーンズぱっくり裂けるほどひどかったようです。
そして見てみますと、お二人とも太ももの前側に強い張りをお持ちで、特に左膝を傷めた方の症状はとても強く、膝を深く曲げたところ(正座や立膝)から立ち上がろうとすると力が入らず、手でどこかにつかまらないと立てないとおっしゃっていました。
いつもは全くそんなことはありません。
立ち上がる時、太ももの前側の大腿四頭筋を使います。
上の写真でいうと、大腿四頭筋は大腿直筋(赤のライン)、外側広筋(青のライン)、内側広筋(黄色のライン)、中間広筋(奥にあるので出ていません)。
症状のある側のこれらの筋肉を触ってみると強い張りがあるのが分かります。ちなみに膝が痛むようなときは、紫で囲ったあたりに張りがあることが多いです。
特に内側広筋は上の写真で言うとピンクの星印のあたりに圧痛点があり、膝の痛みでは重要ポイントです。
立ち上がるに力が入らないようなときは、念入りにこれらの筋肉の張りの強い箇所をほぐしてゆるめる必要があります。
そして腰、骨盤の調整を行い、体のバランスの偏りを減らしておくのが効果的。
太ももの前側を伸ばすにはこのように行うと良いです。
左膝を強く打った方の場合、初回は太ももの前側を中心に行いましたが、その後、膝の裏あたりの症状が強く感じられるようになってきたそうです。
立ち上がろうとすると、太ももの裏ハムストリングスの膝に近いところ、ふくらはぎの上のほうの膝に近いところ、そして膝の裏そのものに痛みが出るとのこと。
写真でいうと、ハムストリングス(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)の膝に近いところは黄色、ふくらはぎの腓腹筋はピンク、膝裏の膝窩筋はオレンジ色。
これらに圧痛がありましたので念入りにほぐしてゆるめましたら、少しづつ楽になってきたようです。ただ体を使うお仕事の方で、その度に疲労が溜まるので、回数を重ねる必要があります。
このように足を少し高いところに載せて、つま先を上に向けて、膝を伸ばして体を前に倒すと脚の裏側を全体的にストレッチできます。
このように転倒で膝を強く地面に打ち付け、その強い衝撃が脚の筋肉にかかり、膝周りの筋肉が過剰に緊張してしまうことで、痛みが出てしまうことがありますので、みなさまくれぐれも転ばないようにお気を付けください。
当院のストレッチ動画です。ご参考になれば幸いです。