膝を強くぶつけた後、しびれが治まらない

 小さなお子様をお持ちの方からメールでご連絡がありました。

 なんでも、4,5日前、夜中にお子様をトイレに連れて行こうと抱き上げようとした際に転倒し、左ひざを床に強打してしまったそう。

 が、ぶつけた箇所に腫れもなく青くもなっていないのに、四つん這いになろうと床に膝を着けると膝から下がしびれるとのこと。


 メールだけだとどこをぶつけて、どのあたりがしびれるのか、その状態がよくわからず、骨にひびが入っている可能性も無くはないので、念のために最寄りの整形外科で一度診てもらってくださいとその方にお願いしましたら、その日のうちに診てもらってくださいました。


 幸い骨に異常は見つからず、とりあえずは患部の血行を良くしてくださいとお医者さんに言われたとのことで、その翌日に当院にご来院くださったのでした。

脛骨と腓骨

ひざ下の脚には脛骨と腓骨の二本あります。

写真でいうと脛骨が水色、腓骨がピンク色。

ぶつけたのが脛骨の一番上のほう、膝のお皿の下あたり。ですがここの骨には問題がありません。

触ってみて痛みが出たのは黄色い箇所。

ここは近位脛腓関節という箇所。脛骨と腓骨のくっつくところです。

骨どうしは靭帯でくっついていますので、ここが痛むということはこの靭帯に強い緊張があるということです。

緊張というのはつまり硬くなってしまっているということですが、転倒した際にこの関節に強い力がかかってギュッと硬くなってしまい、それが元に戻っていないのです。

緊張したままだと血流が悪く、四つん這いで膝を着くと圧がかかり患部がさらに緊張、すると余計に血流が滞るので、それをなんとかしてくださいというサインとして痛み物質がでるのです。

というわけでこの近位脛腓関節部をゆるめるようにいたしました。

長腓骨筋

近位脛腓関節の痛みが徐々に治まってきますと、今度はそれまで痛くなかったところに痛みを感じ始めました。

それが写真の赤の部分。

腓骨の上には長腓骨筋(写真の紫の部分)という筋肉がくっついていますが、その一番上、腓骨頭のあたり。

そこでここもゆるめるようにしました。

四つん這いで確認

上記の箇所をある程度施術したところで、四つん這いになれるか試してもらってみましたところ、しびれはまだ出るものの、なることが出来るようになりました。

さらにこの体勢のまま、圧痛の箇所を確認してゆるめるように施術しました。

 ある程度しびれが減ったところで施術は終了。あとは日にち薬で、温めたりして血行を良くしてもらうことにしました。


 このように、打撲などの後、ぶつけたところ以外に痛みやしびれが発生することがありますので、くれぐれもご注意ください。