腕枕による痛み

Pain from arm pillow

 肩や腕に痛みやしびれが出ることがあります


 腕枕によって腕が痛くなることはよくありますね。お子様だったり、ペットのワンちゃんやねこちゃんだったりが腕に載って寝てしまい、自分も気が付かずに眠ってしまう。

 大抵は寝ている間にどかしているものですが、それが長時間だったり朝までだったりすると翌朝痛いものです。


 腕に重さがかかってそこが血行不良になるために痛くなりますが、それでも普通は時間が経てば回復するものです。


 ところがたまに、それがきっかけでずっと痛むなどということが起こります。そういう場合は疲労やストレスなどが重なっていることが多いですね。

橈側手根屈筋

 大抵仰向けで寝る時は手のひらを上に向けていますから、前腕部に載っていた場合は手首や指の屈筋群が緊張して硬くなっています。

 上の写真の緑のラインは手首を動かす橈側手根屈筋。

三角筋

 上腕部なら上腕二頭筋(力こぶの筋肉)、肩なら三角筋(肩を覆う筋肉)に硬い場所があります。上の写真は三角筋。

 腕枕に限らず、肩から腕にかけての痛みで特によく見かけるのは、三角筋の前側の下のほう、ちょうど上腕二頭筋との境目あたり(前から見て、肩に近い上腕の外側)の緊張ですね。

大円筋

 あと時々あるのは脇の下の後ろ側の大円筋の緊張です。上の写真でつまんでいるあたりです。

 そしてこれらは単独犯ではなくて、複数個所に緊張があり、それらが重なって一連の痛みのようになっていることがほとんどです。


 このような腕の痛みの場合は、これらの腕や肩周囲の筋肉の緊張に、やはり骨格バランスのズレも伴っています。多いのは肩関節が前に、肩甲骨は外側にずれて、背骨にもズレがあるというパターン。そうでなくても骨格のどこかに健側とは違うズレが見つかります。


 

 これは施術する側の話になりますけど、骨格にバランスの悪い個所が見つかったら戻しておくのは大事なのですが、その際に腕が痛むような体勢をとらないようにするのが重要だと僕は考えています。

 施術によって痛みが出てしまっては本末転倒なので、例えば肩甲骨の内側あたりにあたる胸椎を戻す矯正(アジャストメント)を行う際には腕に負担がかからない形で行う、といったことですね。

 痛みがはっきり出る体勢とそうでない体勢とがあるような場合もありますので、痛みの箇所をうまく捉えながら施術を行うのが肝心です。



 とりあえず腕が痛むような場合は、痛みの出る姿勢や動作を避けておくのが良いです。寝る時は痛い側を下にしない方が良いですね。



(2016年9月ブログ記事に加筆修正)