腕が挙がりにくい、腕を挙げようとすると脇の下が痛い

Hard to lift the arms

 肩が前に出ている時、四十肩の時にも多い症状です


 外傷などではなく、なんだか徐々に挙がりにくくなってきた、まだこの時点では症状はさほど強くはありません。


  デスクワークなどで肩が前に出ている方が多いですが、肩が前に出てくると腕が挙がりにくくなります。

 これは試しに肩をちょっと前に出して腕を挙げてみればわかりますが、肩が前に出た状態だと腕を真上に挙げることが困難になります。


 腕を挙げる時は肩関節だけでなく肩甲骨も動かなければなりませんが、肩が前に出ていると肩甲骨が動かないのです。


 挙げる際、肩関節の部分であればそこを覆う三角筋が、肩甲骨の部分であれば僧帽筋が主に働きます。


 これらの箇所にトラブルがあるともちろん腕を挙げにくくなりますが、これ以外にもトラブルがあると腕を挙げるのを邪魔する筋肉があります。


 特に肩が前に出ている時には肩甲骨に付く胸や脇の下の筋肉が緊張しています。


 脇の下の奥の方の広背筋や大円筋、肩甲下筋といった筋肉が緊張すると肩甲骨が動くのを邪魔します。


 さらにひどくなると

・広背筋・・・背中や腕

・大円筋・・・肩関節のあたりや腕

・肩甲下筋・・・肩甲骨と腕の境目あたり


 こういうところに痛みが出ることもあります。


 冬場寒くなって体が縮こまってくると、肩甲骨周囲も緊張するので、腕が挙がりにくくなるような症状もでやすくなるんですよ。


 これがひどくなってくると腕を挙げようとすると脇の下あたりが痛いという症状が出ることがあります。


 脇の下から肩甲骨、肩のあたりに痛みが出ていて、整形外科で四十肩だと診断されることもあります。


 四十肩と一言で言っても、原因となる箇所はいくつかありますが、ここ脇の下もその一つ。

大円筋や広背筋

 さてこのような腕が挙がりにくいとか、挙げようとすると脇の下が痛いというような症状の場合にはまず筋肉をゆるめるのが大切。


 大円筋や広背筋(つまんでいるあたりの脇の下)がありますので、痛いところを気持ち良い程度につまんでゆるめるように、

肩甲下筋

 肩甲下筋は脇の下に指を突っ込んで肩甲骨の内側を触るようにすると確認でき、そのままほぐしてゆるめることができます。

脇のストレッチ

 ストレッチの際は、こんな風にすると良いでしょう。

 さらに、前鋸筋(赤いラインで囲ったあたりの肋骨の横から肩甲骨の裏側につながります)の緊張も肩の動きを制限しますので、

 肋骨の横を指でさすってほぐすと良いでしょう。

 これらを行ってみて腕が挙がりやすくなっているか確認してみてください。

あとは肩関節を覆う三角筋にも張りがあるなら、そこもゆるめます。ここが三角筋。

三角筋の圧痛点は水色のハートの辺りです。ここを優しくゆるめましょう。

 さらに胸椎、頸椎の調整。三角筋、大円筋、肩甲下筋はそれぞれ首の下の方から出る神経(頚神経5~7番)が関連するので、そのあたりにズレがある場合も多いのですが、このあたりはやや矯正しにくい場所でもありますね。腕のしびれなんかにも関連します。


 ちなみにこういう場所をご自分でゆるめたい場合は腕そのものをゆるめてやるのも効果的ですね。手三里や合谷と言ったツボ押しとか、肘までを湯に浸ける肘湯なんかも良いです。


 四十肩の場合は、動く範囲が広がってきたら痛くない範囲でよく動かしておいた方が、動かさないでいるより良いんです。そのほうが血行が良くなりますから。




(2016年6月ブログ記事および2017年1月ブログ記事、2018年7月ブログ記事に加筆修正)