腕のしびれと背中のズレ

Numbness in the arms and misalighnment of the back

 みなさまテレワークが多くなってから、腕の症状を訴える方が増えました


 もうかれこれ10年ぶりくらいの方が御来院くださいました。なんでも最近腕がしびれるとのこと。


 「しびれるのは右前腕から手。しびれる感覚は正座で脚がしびれるのに近く、一日に何度も繰り返し現れ、一回につき30秒くらい続く。

 テレワークが主になってから、たまに出社するときにものすごく荷物が重くなり、それを右手で持っているからか、ここ数日でどんどんひどくなった。」


 とおっしゃっていました。


 腕や手の筋肉自体が疲れて硬くなっていると痛みやしびれが出ることがありますが、今回の場合はしびれが出ては消え出ては消えするという感覚の異常がありましたので、胸椎上部に何かあるかなと推察しました。


 あくまで僕の経験上ではありますが、こういう感覚以上の場合に椎骨などを調べると、いつもよりずれているのではという箇所が見つかり、それを戻すと症状が改善するということがよくあるんです。

上部胸椎

で、観てみましたところ、まず右肩が左より下がっておりました。

 さらに上部胸椎が全体的に右にずれたように(胸椎の棘突起が)なっていました。胸椎上部というと首の下から肩甲骨の間くらいあたりです。



 ズレたようになっているところ(上の写真水色ライン)はその椎骨にくっついている筋肉に強い張りが見つかりますが、この場合も上部胸椎の右側の脊柱起立筋(上の写真の赤いところ)にかなり張りがありました。


 通常はこういう箇所をゆるめるようによくほぐし、その後椎骨がスムーズに動くようにアジャストメントするのですが、この方の場合ほぐすと頻繁に手のしびれが出る感じだったので、まず先に一度アジャストメントを行って、その後に脊柱起立筋をほぐしました。


 異常な感覚があるような時は、先にアジャストメントしてから筋肉をゆるめた方が症状が楽になることも多いんです。


 さらに元々肩こりも結構あると仰っていらしたので、首や肩の周りもほぐしました。


 それから右肩そのものが下がっていましたのでそこも戻して、初回の施術は終えました。

 一週間後にお越しいただいところ、しびれは一日に10回程度に減り、その時間も5秒程度で消えるようになったとのことでした。

 そこでこの日は先に右の脊柱起立筋や僧帽筋をほぐしてゆるめてから胸椎のアジャストメントを行いました。


 そのまた一週間後にお越しいただきましたら、しびれは一日に数回、その範囲は手ぐらいだけになり、弱くなっていました。もうあまり気にならないようでした。


 そんなわけで、この時も2回目の基本的には施術同様に行いつつ、右肩の下がりを戻すことにより注力しました。こういうのが残っているとまた同じ症状が出てきやすくなりますからね。

脇の下の奥の肩甲下筋

 ちなみに肩の下がりには脇の下の奥の肩甲下筋(写真の赤いところ)などをゆるめたりする必要があります。


 とりあえずまた症状がひどくなるようならご連絡をとお願いして施術を終えましたが、その後はご連絡がないので、今のところ大丈夫なようです。

 テレワークが多くなってから右腕に症状が出ている方のご来院が増えました。

 慣れない机、いす、環境で長時間PC作業というのはやはり体に負担がかかるんですね。

 ご自宅でもせめてなるべく椅子を座り心地の良いものに替えるなどをしていただければと思います。



 (2021年9月ブログ記事に加筆修正)