自律神経失調症と言うのはよく聞く症名ですね。
自律神経は血管、リンパ管、内臓などに分布して、体の恒常性、生命活動を維持しています。
交換神経と副交感神経の二つに分けられ、交感神経は日中の活動時間に優位に働き、副交感神経は休息時や睡眠時に優位に働きますが、この2つの神経は常に互いに拮抗しており、バランスが整っている事が重要です。
そして、このバランスが何らかの理由で崩れると、自律神経の失調状態になると考えられています。
自律神経失調症にストレスが大きく関わっているとされるのは、自律神経の中枢が脳の視床下部にあり、この視床下部という所は、感情などを司る大脳辺縁系とつながりがあるためです。
現れる症状には、だるさ、頭痛、めまい、立ちくらみ、疲労感、食欲不振、不眠、冷え、のぼせ、便秘、下痢など多岐にわたり、様々です。
病院でいろいろ検査したが、原因が分からず、とりあえず付けられたりすることも多いようで、かなり曖昧な症状名だと言えると思います。
臨床的には、腰痛や背中の痛みなどの理由で来院されて、施術を受けられているうちに、当初目的ではなかった自律神経失調もなんだか良くなってきたという方々が時々見受けられます。
その理由をカイロプラクティック的に考えてみますと、交感神経は背骨にぴったり沿って走り、副交感神経は脳脊髄神経(迷走神経、仙骨神経)に入っていますので、背骨の歪みがこれら自律神経に何らかの悪影響を及ぼし、逆に、カイロプラクティックや整体で背骨や骨盤を整える事で、自律神経のバランスが整うのではということが考えられるわけですが、これには医学的科学的な根拠があるわけではありません。
もうちょっとわかりやすいところで、カイロプラクティックの効果というものを考えてみますと、施術の際には筋肉の緊張を取るために体をほぐしたり、背骨の調整をするわけなのですが、
交感神経が優位になると現れる症状
・血圧の上昇・心拍数の上昇・皮膚の発汗・立毛筋の収縮・便秘・瞳孔が開く・喉の渇き・覚醒 など
体が活動的になり、緊張状態が続き、そこから抜け出せないような状態です。
ですのでこれに対してカイロプラクティック施術で筋肉の緊張が取れれば、体全体としての緊張状態が緩和されることが考えられます。
一方、副交感神経が優位になると現れる症状
・低血圧・立ちくらみ・やる気が出ない、だるい、無気力・身体に力が入らない・頭がボーっとする・すぐ眠くなる など
体が非活動的になり、弛緩状態が続いている状態。
これに対してはカイロプラクティック施術で体を動かされたり矯正されたりするので、刺激が入り、目が覚めてシャキッとして、交感神経が働きだすことが考えられます。
いずれにしても、自律神経失調症ぎみだが原因はよくわからないという場合、カイロプラクティックも治療の選択肢の一つとして試してみても良いかもしれません。