首の痛み一般

Neck pain in general

上を向くと痛むか、下を向くと痛むか、横に倒すと痛むか


 「上を向くと痛い」


 首が痛いというとき、上を向くとつらいという症状は結構多いですね。


 寝違えた時にも出ますし、仕事をしていたらなんだか徐々に痛くなってきたとか、いろんな話を聞きます。


 後ろ側が痛いという人のほうが多いでしょう。この場合、この部分の筋肉が凝って緊張して(縮んで)いるため、上を向く動作で、その筋肉をさらに緊張させる事になり、その結果痛みが出ます。


 また、背中の上の方の、肩甲骨の内側辺りに痛みを感じる事もあります。


 首の後ろ側の筋肉と言いますと、

僧帽筋

まず大きなもので僧帽筋。

頭板状筋、頸板状筋

頭板状筋(赤いライン)と頸板状筋(青いライン)。

あとは

・後頭下筋群(うなじの辺り)

・脊柱起立筋

・短背筋群(半棘筋・多裂筋など)

 があります。






・肩甲挙筋(青いライン)

・菱形筋(赤で囲まれたあたり)

に緊張があるかもしれません。

その場合、胸椎の調整が必要なこともあります。

 これらが凝ると、下を向くとビーンと張ってしまい、伸びなくなる感覚もあることが多いです。

 施術では、痛い箇所、筋肉の緊張している場所を特定し、その緊張を緩めること、そして、多くの場合頚椎の動きの悪い箇所がありますので、そこを調整するということになります。


 肩甲骨の内側に痛みが出ている場合は、

肩甲骨の内側

・肩甲挙筋(青いライン)

・菱形筋(赤で囲まれたあたり)

に緊張があるかも知れません。この場合胸椎の調整が必要な事もあります。

 「下を向くと痛い」


 下を向くと首が痛いという場合、下を向くとどこが痛いのかによって、悪い部分も異なります。


 多いパターンとして

・下を向くと首の後ろ側が痛い

・下を向くと首の前側が痛い

 があります。


 まあ、後ろ側が痛いという人のほうが多いでしょう。この場合、首の後ろ側の筋肉がビーンと突っ張って痛いということが多いですね。この部分の筋肉が凝って緊張して(縮んで)伸びない状態になっているのです。



 首の後ろ側の筋肉はと言いますと、

・僧帽筋

・頭板状筋と頸板状筋

・後頭下筋群(うなじの辺り)

・脊柱起立筋

・短背筋群(半棘筋・多裂筋など)

 があります。(上の説明と写真を参照ください)


 これらが凝ると、下を向くとビーンと張ってしまい、伸びなくなるのですが、実は上を向いた時に首の後ろが痛いというのもここから来ています。

 それは、上を向くと緊張して縮んだ筋肉をさらに短縮させることになるので、それによって過緊張し、痛みが出ているのです。



 一方、下を向くと首の前側が痛い時は、

首の前側

・胸鎖乳突筋(ちょっと横を向くと斜めに走る大きな筋肉、写真の赤いラインの間)

・椎前筋群(頸長筋など、首の前側の奥のほう)

 に緊張があります。


 例えば、旅行で長時間飛行機に乗って、座ったまま下を向いて寝てしまったり、旅行先の枕が合わなかったり(高すぎて顎が引けてしまう)、そんな時に痛みが起きたりします。


 胸鎖乳突筋は顔の前側(額や目の周り)に痛みを出します。走ったりすると響くという方が以前いらっしゃいました。


 頸長筋なんかは首の後ろに痛みが出たりもしますから注意が必要です。あまり大きな筋肉ではないですけどね。

「横に倒すと痛い」

 頭を横に倒すと痛む場合は首の横の筋肉が緊張しているからです。


 首の横の筋肉と言うと斜角筋群。細かく見ると前中後の三つに分かれます。ここが張っていると頭を横に倒すとビーんと張ります。あとは前述の胸鎖乳突筋も関連します。

(例)

 よく来て下さる方から、ご実家に帰省中にエステに行って、その時はスッキリしたんだけど、翌日から首から肩にかけて強い張りが出て、首を動かそうとすると痛み、頭痛もあるとのご相談を受けました。


 エリアとしては首の横から前にかけての胸鎖乳突筋や、横にある3本の斜角筋群に強い張りがありました。そして首肩こりがいつもよりも強い状態でした。


 胸鎖乳突筋に強い張りがある時、顔や頭部に痛みを感じることがあります。

 そこで普段以上に首を念入りにゆるめ、首、鎖骨、肩甲骨から腕にかけてを調整しましたところ、だいぶ痛みが治まりました。

 早い改善をお望みでしたので、3日後にもう一度施術を行い、さらにその一週間後にもう一度施術を行い、いつものように戻りました。

 痛みは片側のみでしたから、エステでの施術が強すぎたか長すぎたかして、たまたまこの方のその時の状態と合わなかったのではないかと思います。


 首の筋肉は深いところにあるものも多いですが、まあ大体痛いところと、張っているところが同じなので、触ってみればどこが悪いかは分かります。

 多くの場合、頚椎の動きの悪い所がありますから、そこの調整をして、筋肉の緊張をとるようにすると良くなってきます。


 いずれの場合も、自分で出来る事は、

・首を冷やさずよく温める。(但し急性の激しい痛みの時を除く)

・痛い方向に無理に動かさず、楽に感じる方にだけ動かす。

・もし張っている所が分かるなら、やさしく押す。ただしやりすぎないこと。

 ですね。


 前述の例からですが、筋肉も揉んだりすると運動して動かしたのと同じく疲れるので、その体の状態を考えての施術が必要なんです。

 こういうところは自分もよくよく気を付けないといけないとと気を引き締めてます。



(2019年1月ブログ記事に加筆修正)