産後および冷えによる足首と足の痛みやしびれ

Postpartum and cold ankle pain

 産後は手首の痛みとともに意外と起こります


 産後の不調でいらっしゃる方の症状で足首や足が痛む・しびれるというのを時々見ます。


 産後に手首が痛くなるというのはよくありますが、足首でも起こるんです。


 捻挫をしたとかいうわけでなくて、歩いているうちにだんだん痛くなってくるとか、夕方になると痛くなってくるというものが多いようです。


 但し足首の場合は、手首のように頻繁にお子様の世話などで使うというような負担が少ないせいか、さほど深刻になることはないよう思います。


 大抵、足首の少し上の外側あたりの筋肉(第3腓骨筋)に強い緊張があります。ここは足首の内反捻挫の場合でも傷めがち。

 

 産後、骨盤がまだ開き気味になっていると体重が外側にかかるので、脚の外側が疲れてきます。


 また、下半身が冷えても体重が外側にかかるので、同じく脚の外側のラインに張りが出ます。


・お尻の外側・・・中殿筋と小殿筋

・太ももの外側・・・外側広筋

・脛の外側(ツボで言う三里)・・・前脛骨筋

・脛の足首に近いところのやや外側・・・第3腓骨筋

・脚の甲の外側・・・第3と第4中足骨の間または第4と第5中足骨の間


 こういう場所ですね。張りが出ている場合、押すとちょっと痛いです。


 なので足首だけでなく、上のように太ももや脛の外側、足の甲の外側(小指と薬指の間、薬指と中指の間あたり)なんかも負担がかかって痛くなってくることがよくあるのですが、足首は下の方ということで体重がかなりかかるために痛くなりがちなのでしょう。

第3腓骨筋

 写真で、足の薬指と小指の間をさかのぼったところの水色のラインが第4と第5中足骨の間。足首の上の外側のピンクの星が第3腓骨筋。


 このあたりに痛みが出ている時は体重が外側にかかっている証拠。ここが張ってくると足首から足の甲あたりに痛みが拡がります。


体重が外側にかかっている時というのは、

・疲れている

・冷えている

のどちらか(もしくはどちらも)があります。


 特に足元の冷えで足首が痛む感覚が出ることも多いですが、その場合はこの第3腓骨筋に張りがあることが非常に多いです。冷えてる時はここを押すと結構痛いんです。 ここが張ってくると足首から足の甲あたりに痛みが拡がります。

第3腓骨筋を押す

 上記の第3腓骨筋を親指で押さえているところです。


 冷房の効いたところでは冷気が下に溜まってきますので、足元は冷えがちになります。膝から下、特に足首に近いところが冷えると、足首から足そのものが痛くなります。血行が悪くなるのが原因ですね。


 足の指が全体にしびれる場合も同じで、もし純粋にヘルニアなどによる神経症状であれば、症状のあるあたりには筋肉の張りはなく、むしろ力が入らないとか感覚がマヒしているとかがあるはずですが、そうでなくむしろ押すと痛い箇所(圧痛点)がいくつかあるような時のしびれ感は足の筋肉の緊張から出ているものです。

前脛骨筋

 ちなみに足の親指にしびれ感があることがあります。その場合、脛の骨の外側の赤いラインの特に真ん中あたりに圧痛が見つかります。

 ここは前脛骨筋(上の写真の赤いラインのあたり)という筋肉で、脛骨の外側にあり、親指の下のほうにつながっているので、ここが過剰に緊張すると親指に痛みやしびれが出ることがあるんです。

 親指の付け根(中足指節関節)を回しながら前脛骨筋をゆるめると、親指のしびれが治まってきますよ。

 片方の足首が特に痛むような時はそちら側に重心が偏り気味になっていると考えられるので、当院の施術では、まず骨盤などの矯正でバランスを戻し、硬くなっている筋肉をほぐしてゆるめます。


 こういう時は歩く時に親指で蹴るように意識しておくのがよいですが、普段の歩き方の癖などで外側に体重がかかっている場合には、それにプラスして歩き方の指導も行い、日常で気を付けてもらうようにしています。


 体重が外にかかっている場合は疲れか冷えがあります。飲みすぎ食べ過ぎで胃腸が疲れ、体が重くなることでも起こりますが、冷えと重なると痛みが出やすくなります。


 職場の冷房が寒いという時にはレッグウォーマーなどで足首までしっかり隠したほうが良いです。脚の冷えが強いなら、夏場でも湯船に浸かったほうが良いですし、足湯で足首までしっかり温めたほうが良いですね。




(2016年6月ブログ記事及び12月ブログ記事、2018年7月ブログ記事、11月ブログ記事ブログ記事、2019年7月ブログ記事に加筆修正)