足首の捻挫後の痛み、正座ができない

Pain after ankle varus sprain

 捻挫の後も痛みが残ることがあります


 足首の捻挫というと、ハイヒールを履いていてグリッとやつという内反捻挫が多いです。これについては別記事があります。


 女性に多いのは間違いありませんが、男性でももちろんあります。スポーツで捻挫することもありますもんね。


 一度足首を派手に捻挫したり、骨折したりすると靭帯が伸ばされてしまい、一度伸びてしまった靭帯は緩い状態のまま、完全にはもどらないので、再び捻挫してしまうことが多いのです。


 しかも、捻挫が治った後も痛みが残るなんて言うこともあります。

 ①捻挫後に足首の外側に痛みが残る場合


 この場合に多いのは、足首のすぐ上の短腓骨筋(や第3腓骨筋。下を参照)に過剰な緊張があることで、そこに力がかかると痛みが走るのです。


 捻挫した時に、この筋肉もギューッと引き伸ばされ傷めてしまい、緊張が残ってしまっているのです。


 触ると痛めていない側と比べれば張りも違うし、押された感じも違いますからすぐにわかります。


 こういう場所もよくゆるめて緊張をとるようにすると痛みが改善します。捻挫直後でなければ、よく温めるのが良いです。


 冬場なら、ブーツのほうが足首のガードにはなりますね。


 さて、捻挫したわけでもなく足首が痛くて正座ができなくなる症例もあります。かなりハードに体を使うご職業の方で、ものすごく忙しく常に動き回っていらした際に痛みが出てきたそうです。

第3腓骨筋

 足首から足の甲にかけて痛むとおっしゃるので調べてみると、足首の上、前外側あたりにある第3腓骨筋(下の写真のピンクの★)に鋭い圧痛がありました。


 ここが過剰に緊張すると足首と足の甲に痛みが出るのです。上記のように捻挫の後に痛みが残るような時にもここが原因のことが多いです。緊張しているため、正座をしようとしても伸びることができなくなっているのですね。なのでこの部分を念入りにほぐしてやると痛みは治まってきます。

第3腓骨筋をほぐす

 自分でやる場合は脚の痛い箇所をそのままほぐしても良いですが、写真のように親指で圧痛点をおさえたまま、反対の手で足首を動かしてやるのも良いです。足首の力は抜いてください。

 痛くなった原因としては、

 ハードに動き回っていたため疲労が溜まる→疲労している時は体重が外にかかりやすくなり体が偏る→右の外側に体重がかかり、足首の上の第3腓骨筋に負担がかかり続けた。

 このようなことではないかと推測されました。


 このあとしばらくしてからお見えになった時には痛みはなくなっていたので、慢性的にならずに済んで良かったです。

 ②捻挫後足首の内側に痛みが残る場合


 足首の捻挫では内反捻挫(足の裏が内向く)で、上記のように痛くなるのは甲のところから外側が多いのですが、そうでない場合もあります。


 例)5か月前にフットサルで足首の捻挫をして、腫れなどはもうなくなっているのに、走ると痛みが出るので走らないようにしているという方がいらっしゃいました。

足首背屈

 まず背屈すると前側(赤いあたり)に痛みがあり、しゃがむのがつらいそう。

足首底屈

 さらに底屈すると後ろ側(赤いあたり)に痛みがあり、つま先立ちもつらい。

内果の下の三角靭帯

 さらに足の裏を内側に向けると内果の下(赤いあたり)が痛むそう。

 このように今回は内くるぶしのほうに痛みが残っていました。


 内くるぶしの下には三角靭帯があり、これが脛骨を安定させているのですが、捻挫でここに強く緊張させてしまい、その緊張が残っているのだと思われましたので、今回はここをゆるめることにのみ集中して念入りにゆるめる操作を行いました。


 施術が終わるころにはしゃがんでもつま先立ちしても痛みはほぼなくなりました。


 足首に限らず、怪我の後にその箇所が治っても痛みが残ってしまうことがありますが、そういう場合は上のように残っている緊張箇所を見つけてゆるめるのが有効です。



(2017年12月ブログ記事と2019年9月ブログ記事に加筆修正)