母乳の詰まりと胸と背中の痛み

Clogged breast milk and chest and back pain

母乳の出は背中の張りと関連します

 当院には赤ちゃん連れのお母さんが多く来院されますが、時々母乳の詰まりのトラブルをお持ちの方がいらっしゃいます。


 助産師さんから「背中をよくほぐしてもらいなさい」と言われて当院にお越しになる方もいらっしゃいますが、たしかに母乳が詰まると背中の筋肉も凝ってきます。背中と言っても肩甲骨の内側のあたり。こういうことは助産師さんもよくご存知なのです。

菱形筋

 写真の肩甲骨の内側、赤あたり菱形筋ですね。

 詰まりやすい側の筋肉が大抵硬くなります。

 そして手を後ろに回した時に、肩甲骨の動きが硬いです。

 肩甲骨が浮き上がりにくいというのか、間に指が入りにくいというのか、そういう感じがあります。


 さらに、授乳などで背中を丸めている時間が長くなると、背中の真ん中あたりも張ります。丸くなっている箇所が凝るんです。(下の赤いあたり)

大胸筋・小胸筋

 加えて猫背、巻き肩(肩が前に出る)にもなりますが、そうすると胸の筋肉(大胸筋・小胸筋)が縮まって血行が悪くなりますので、胸が痛くなることもあります。

 写真の赤で囲ったあたりが大胸筋、黄色のあたりが小胸筋です。

 血が母乳になるわけですから、血行が悪いと母乳の出が悪くなったり、詰まったりするのでしょう。


 胸の筋肉の緊張は授乳に関係なく起こることがありますが、左側に出ると心臓の異常と間違われるのでちょっと厄介ですね。要らない心配してしまいますから。


 というわけで、母乳の詰まりがある場合は、肩甲骨の周りと胸の状態を確認して、筋肉の緊張箇所がある場合はよくゆるめて、さらに胸椎の可動性の悪い箇所を調整し、背中・肩・胸がスムーズに動くように矯正します。


 ちょっと前からお越しくださっている方は、もともと乳腺炎になりやすかったのですが、当初は別件で当院にお越しになられて、当院の施術を受けていた期間は乳腺炎が出なかったことに後でお気づきになり、それから定期的に来てくださっています。



 母乳の詰まりは放っておくと乳腺炎になってしまいます。食べ物などを気を付けるのはもちろんですが、場合によってはこういう施術で体を調整しておくこともお勧めいたします。



(2016年12月ブログ記事に加筆修正)