足の甲の痛みやしびれ感

Instep pain

 疲れや冷えで出やすく、産後にも時々見かけます


 足の甲の痛みやしびれ感の場合に多いのは外側のほうの症状。体重が外側にかかっていると出やすいのですが、そういう時は、


・疲れている

・冷えている

のどちらか(もしくはどちらも)があります


 産後の不調でも時々見かけますが、骨盤がまだ開き気味になっていると体重が外側にかかるので、足の外側が疲れてくるからですね。


 原因になるのもののまず一つ目は、


 ・足の甲の外側・・・第3と第4中足骨の間または第4と第5中足骨の間


 からのもの。


 中足骨の間に骨間筋というのがあって、そこが過剰に緊張するため、力がかかった時(足を着くとか)に痛むんですね。

中足骨骨間筋

 甲の外側に押すと痛い場所があります。薬指と小指の延長線上に中足骨があり、それぞれの間です(ピンクの★のあたり)。中指と薬指の間だと黄色の★のあたりです。

骨間筋をつまむ

 ここをつまんで少し振っていると徐々に緩んできます。弛んでくると足が温かくなりますので、足が冷えるときにもやってみると良いですよ。

 症例)このところよく来て下さる方が、急に足の甲が痛くなったと御来院。

 いつもはこのような症状はおっしゃらず、過去にもこのような症状が出たことはないとのこと。

 症状は左足。

中足骨の骨間筋

 痛みがあるのは緑のラインあたりで、歩いても痛く、軽く押しただけで痛みがあり、痛くない右足と比べるとわずかに腫れぼったい感じでした。


 ぶつけたりした記憶はないとのことでしたので、雰囲気から察するにこの個所の筋肉が何らかの理由で過剰に緊張し、血流が悪くなって体液が滞ってぶよっとした感じになっているのだろうと思われました。


 痛みの箇所を細かく調べると、緑のラインの箇所がピンポイントの痛みの箇所。中指と薬指の中足骨の間。骨間筋です。その隣の小指と薬指の間(左の青のライン)に圧痛はありませんでした。

 この個所に痛みが出るのは、冷えや疲れが溜まって、体重が外にかかっている時。この方も小さなお子様の世話や抱っこなどの疲れが溜まっていらしたのかもしれませんし、この日は薄着でいらしたので、足が冷えていたのかもしれません。


 施術では、小指と薬指の間の中足骨の間(左の青のライン)の骨間筋、人差し指と親指の間の中足骨の間(右の青のライン)の骨間筋を同時につまんでほぐしました。


 小指と薬指の間の中足骨の間(左の青のライン)の骨間筋をほぐすことで滞った体液を流す、と同時に人差し指と親指の間の中足骨の間(右の青のライン)の骨間筋をほぐすことで親指側を意識させ、外にかかった重心を中心側に戻す、というダブルの効果を狙ったものです。


 後はいつも通り骨盤と背骨などの調整を行ってバランスを整えておきましたところ、終わった時点では、触ると痛みはまだあるものの歩いても痛みはなくなって、そのままお帰りになりました。


 その後、一度痛みがぶり返したものの自然と治まり、翌週にはなんともなくなっておりました。


 梅雨時期は夜気温が下がるので、手首や足首はまだ出さないほうが無難です。

 さて、更に原因となるものがもう一つ、それは、


 ・足首の上外側の第3腓骨筋

 から来るもの。


 症例)産後5か月ほど経つものの体調が悪く、立っていてもフラフラ安定しないとの症状でのご来院。

 起床時には両足の甲もしびれるとのこと。右足親指にもしびれ感がありました。


 おそらくは骨盤の不安定感があって、体の中心に力が集まらないのだろうと推測。そういう時は体重が外にかかり気味になります。

第3腓骨筋

 足の甲にしびれ感が出るとすると、足首の上外側の第3腓骨筋(上の写真の赤のあたり)。

 この筋肉が過剰に緊張するとピンクの辺りに痛みやしびれを感じるので、もしやと思い、触ってみるとかなり張り感。


 右足の親指のしびれ感は、ソファーで授乳の際に右足をつま先立ちしているからではないかとのお話だったので、そこに関連しそうな前脛骨筋(すねの横)をチェックしてみました。

 この筋肉が過剰に緊張すると親指に違和感が出るんですが、押してみたところかなり張りがあり、押されると気持ち良いとおっしゃっていました。

 これらの状態からやはり体重が外にかかっているのだろうと考えられましたので、まず。初回は骨盤を調整して、前脛骨筋、第3腓骨筋を念入りにほぐしました。


 一週間後に2度目の御来院。

 その際には親指のしびれはなくなったとのことでした。

 初回と同じく骨盤の調整と第3腓骨筋をゆるめる施術を行いました。

 季節柄足が冷える季節で、足首上の第3腓骨筋も冷えやすいですが、靴下が苦手だとのことでしたので、レッグウォーマーなどで足首を冷やさないようにとお話いたしました。


 また一週間後に3度目の御来院。

 骨盤の不安定感がなくなったとのことでした。足の甲のしびれは減ったもののまだ少し残るとのこと。でも靴下を履くようになったそうです。

 そこでまた初回と同じく骨盤の調整と第3腓骨筋をゆるめる施術を行いました。


 さらに一週間後に4度目の御来院。

 骨盤の不安定感もなく、足の甲のしびれもなくなったそうです。


 足首の冷えは足の痛みにもつながりますので、冷やさないようご注意を。




(2018年7月ブログ記事、11月ブログ記事ブログ記事、2019年6月ブログ記事、2020年1月ブログ記事に加筆修正)