腰の一番下、仙骨からの痛み
かなり以前になりますが、お嬢さんのご紹介でお見えになられた方で、腰痛の方がいらっしゃいました。
慢性的に腰の下のほう全体に重い感じ、鈍痛のような感じをお持ちでした。
もう永い間そんな感じだったということで、すぐには良くならないだろうと思って施術をしてはいたのですが、腰椎・骨盤の調整を行い、その他いろいろ試したものの、なかなか症状に変化が現れません。
その日はもう切り上げて様子を見ることにしようかと思っていた時に、最後に仙骨を強めにぐっと押してみたところ、これが非常に的を射たらしく、しばらく押し続けました。
そして「いろいろやってもらったけど、今のがいちばん効いた。おかげで随分軽くなった。」とおっしゃって帰られました。
その時は何が効いたのか解りませんでしたが、後から考えてみると、何かしらのトリガーポイントのようなものがあったのではと思います。
トリガーポイントとは簡単にいうと筋・腱・靭帯などにできる硬い部分で、押すと痛い所の事です。主に筋肉にできます。硬くなった筋肉は筋筋膜性疼痛と呼ばれる痛みやしびれを発します。
仙骨は骨盤の真ん中の三角の骨で、脊柱起立筋という背中の筋、その下には多裂筋という筋肉が始まっており、青いラインのあたりです。
赤いラインは仙骨と腸骨からなる関節で後仙腸靭帯でつながっています。(ちなみに黄色のハートのあたりは中殿筋。ここが過剰に緊張すると仙骨のあたりに痛みが出ることもあります。)
今回の場合は、脊柱起立筋もしくは多裂筋が硬くなって鈍い痛みを発しており、仙骨上にそのトリガーポイントがあって、そこにヒットしたのではなかったかと推察されます。
余談ですが、うつぶせに寝た時、腰椎の5番から仙骨にかけて陥没したような感じの方がいらっしゃいます。
僕の経験上、そういう方は泌尿器系(女性なら婦人科系も)が弱いことが多いです。
普段からこういう場所を冷やさず、よく温めるようにしましょう。
当院のストレッチ動画です。仙骨の痛みにはお尻の筋肉をストレッチするのも有効です。ご参考になれば幸いです。