尻もちは子供から大人までよくあります。
雨の日なんかにつるっと足を滑らせて尻もち、なんてことはよくありますね。
尻もちの際に横に滑れば左右いずれかの尻をぶつけるだけで済みますが、すとんと下に落ちると尾骨をぶつけることが多いです。すると曲がってしまったり、ひどいときは折れます。
さらに尻もちによる打撲(や骨折)の箇所が治ったあとも痛みが残るようなこともあり、そういう痛みは打撲箇所の周辺などに筋肉の緊張箇所が残っていることによって引き起こされています。
そういうときが我々のような施術の出番というわけなのです。
ちなみに尾骨というと尻尾の名残だと言われ、3~5個の尾椎が融合して尾骨となるのですが、尻もちのような衝撃で曲がったりするということは、本当にわずかながらにそれぞれの尾椎に動きがあるということなんです。
さて、まず激しく尻もちをついてしまうと、ぶつけた箇所が腫れるかもしれません。腫れているうちは患部を触れられないので、安静にしてもらって腫れがひくのを待ちます。
冷やすのが良いのかもしれませんが、仙骨や尾骨はデリケートなところなので個人的にはあまり冷やしたくありませんね。
そして何日かして腫れがなくなってきたら施術を始めます。
たいてい、腫れはひいても、動いたりすると痛むということが多いですが、それは尾骨そのものがずれたり、曲がったりしているからかもしれないし、その周囲のお尻の筋肉がぶつけた衝撃で緊張したままになっているのかもしれません。それをそのままにしておくといつまで経っても動作痛が残ることがあるんです。
ちなみに尾骨骨折の場合、尾骨が中に入り込んでしまっていることもあり、そんな時お医者さんであれば肛門に指を入れて位置を戻すようなこともすると言いますが、骨折は僕らの範囲外。体の中に指を入れることは口も含めてお医者さんにしかできません。
尾骨に問題があれば、そ~っと触ってみても痛みが出たりしますから、僕の場合は尾骨の形やどの角度だと痛いのか、どこを触ると痛いのかなど状態ををよく確認して、尾骨の位置を戻すようにお尻の上に向かって何度かこすり上げるようにします。
あとは尾骨周囲のお尻の筋肉で緊張している箇所を探しそこを弛めます。尾骨と坐骨の間あたりに緊張があることが多いのですが、デリケートな場所なので慎重に行います。
写真は骨盤を下から見たものです。赤いラインが尾骨と坐骨の間です。このあたりの緊張箇所を探してゆるめます。
ついでに、尻もちをついた時の衝撃で、腰や背中に張りが出ていることもあります。首にまで衝撃が来ていることもありますよ。
そういう緊張箇所を弛めて、背骨のバランスを整えます。
尻もちをついたときも痛みが続くなら放置しないようにしておきましょう。